本文へ移動

水をつくる社員ブログ

RSS(別ウィンドウで開きます) 

水処理サロン その12

2013-05-28
T : プラント設計担当   53才
  A : 装置設計担当    43才
 
A 「流動担体の続きですよ~」
T 「は~い、判りました。」
A 「流動担体でないと、処理できないなんて有機物はあるんですか?」  
T 「結局は、生物処理なんだし、容積と動力さえ使えば、流動担体でなくても大丈夫でしょうね。」
「何か、これは流動担体でないとって、話はないのですか?」
T 「じゃ、プロピレングリコール(PG)とジエチレングリコール(DEG)というのが、ありました。」
「ああ、現場判りますよ~」
T 「それで、PGのBOD5/TOCの比は0.7、BOD5/CODMnの比は1.25でした。」
「それ、分解に問題なさそうですね?」
「そうですね。ただ、もう一方のDEGは、BOD5/TOCもBOD5/CODMnも0.01以下でした。」
「そりゃ、生物処理無理ですね?」
「ところがDEGのBOD曲線を計ったら、4~6日目までは呼吸停止しているのに、12日目から、爆発的に酸素消費が始まり、20日目にはTOCの85%まで酸化が進みました。」  
A 「馴養された菌が、12日目から活動し始めただけではないのですか?」
T 「確かに馴養した汚泥を使えば、BODも高く出るでしょうけれど、標準殖種で測定する所に、BODの本来の意味があると思います。 この指標が生物処理の難しさを表しています。」
「で、処理の方はどうしたのですか?」
T 「PGとDEGの排水中の重量比からTOC換算して、尚かつDEG負荷はPGの数倍として負荷計算をしました。それに、流動担体槽を4槽に分割して処理を行いました。」
「で、結果は?」 T 「そりゃ、うまくいってますよ~。」  
「他に、印象に残っているのはTMAHて、知ってる?  テトラメチルアンモ~~・・・ 」
「知らんのんか~。 それがどうしました。」
「これは、報文にはどれも分解可能とか、分解性良って書いてあるんだけど、私の感じでは分解途中の中間生成物が、初期分解する菌には活性阻害しているように思っているんですが・・」
「ま、難しい話しすぎるね。 ただ、そういう時にも流動担体の水槽分割が効果があると・・・」
「そうですね、胡瓜ぎらいは治りそうに無いですけどね・・・・・・」
- 次回へまたまた続くかも  -

水処理サロン その11

2013-04-30
 T : プラント設計担当   53才
 A : 装置設計担当    42才  
 
A 「その8のBODの時にBODが高くてって話ありましたよね。今回、その逆なんですけど・・・」
T 「どの程度ですか?」
A 「凝集+活性汚泥+急速ろ過処理で、BOD一桁なのに、CODは6~70ppmあるんですけど?」
T 「う~ん、活性炭使うには、ちょっと濃すぎるな~」
「でしょう。うちの活性炭吸着塔なら、1ヶ月持たないですよ、きっと。」
T 「カラムでは、活性炭重量の10%程度CODを吸着するけど、実機は7%くらいかな~?」
「ええ、で、どうすればいいんでしょうか?」
T 「ピーマン好きですか?」
A「出ました~。いきなりやね。大っきらいです。胡瓜もですけど・・」
「じゃぁ、お母さんが、ピーマン食べないと、ハンバーグ食べさせませんって言ったら?」
「そりゃ、ちょっとは食べますけど・・・・何の関係があるんですか?」
「BODは生分解されやすいハンバーグで、CODは嫌われ者のピーマンですよ。」
「???」 T 「COD残ったら、BODを追加して再処理、3次処理やね。」
「あ~なるほど、もう一度、原水を足して再処理ですか?」
T 「それまた、ピーマン増えてるがな~。BOD/CODが大きな有機系の栄養剤がいります。」
「じゃ、CODのために2段階の生物処理をしないといけないと言う事か・・・」
T 「一段でも可能ですよ。従来の浮遊型の循環活性汚泥なら1種類の菌でハンバーグもピーマンも食べないといけないでしょ。 そんな菌なら、最初から2段にする必要もないわけだし。」
「流動担体ですか?」 T 「ファイナルアンサー?・・・・・・・・・正解です。」
T 「各曝気槽に、それぞれの菌が固定されれば、同じ処理時間で、同じ負荷でも処理効率は向上します。」
「流行ってるだけではなくて、そういう有用性があるんですね?」
T 「そうですね、膜分離型で通常では繁殖しにくく、優占種に成り得ない菌が、長いSRTの中で増殖する可能性もあるんですが、これは、やってみないと解らない所が、アピールしにくいです。」
「ちょっと、流動担体はおもしろそうなので、連載しません?」
T 「いいですね~、そうしましょうか。 胡瓜、食べられるようになったらね。」
「ピーマンじゃ、だめですか~(泣)」  
 - 次回へ続くかも  -

水処理サロン その10

2013-03-24
T : プラント設計担当 53才
  E : 営業担当      42才  
E 「前に苛性ソーダ教わったので、消石灰も教えて下さい。」
T 「はい、はーい。」
E 「水処理では苛性ソーダと同じ用途で使いますよね。」
T 「pH調整用のアルカリ剤という意味では、同じです。」
E 「他の意味があるのですか?」
T 「水酸化カルシウムですから水酸基はアルカリ剤ですが、カルシウムは凝集フロックの核になったり脱水工程での離水性の向上や含水率の低下の為に使用します。」
E 「それで、使いにくいのにわざわざ使っているんですね。」
T 「そうですね。スラリーなので常に撹拌が必要ですし、ダイヤフラムポンプは使えないので定量注入にはイニシャルコストがかかるので、ループ配管で配管内の停滞沈殿を防いだりします。装置休止前の、配管内の自動洗浄+水置換なんてのもやりますね。」
E 「それでも、メリットがあると?」
T 「硫酸根が共存すると石膏が出来たり、共沈効果が大きくなったりするので、外せない・・・・・と、思うでしょ?」
E 「出ました。思わせぶりな言い方ですね~?」
T 「はい、そもそも必要な水酸基とカルシウムの重量比が34:40なんて偶然あると思います?」
E 「今一、意味がわかりませんが、どういう事ですか?」
T 「例えば、アルミナ凝沈でpHは中性になっているのに、まだカルシウムが欲しくて消石灰を追加すると酸も必要になるでしょ。」
E 「ああ、そうなると、その逆の場合もあると言う事ですね。」
T 「おお、今日はいつになく切れますね~。」 E 「・・・怒。」
「どうしましょ?」 E 「アルカリとカルシウムを分けるとか・・」
T 「おお、今日は冴えまくりですね~、技術に転職します?」
E 「もう、いい加減にして下さい。 もったいぶらずに、添加薬剤を教えて下さい。」
T 「はーい、それは苛性ソーダと塩化カルシウムです。塩化カルシウムは工業用35%溶液だと石灰10%スラリーの2.3倍もCaが含まれています。 それに、なんと無色透明溶液です。」
E 「お~現場も汚れないし、ダイヤフラムポンプも使えるんですね?ランニングコストどうなんです?」
T 「自分で計算してくださ~い。」
E 「また、途中投げかよ??? (泣)」
- 次回へ続く  -

水処理サロン その9

2013-02-24
T : プラント設計担当 53才
E : 営業担当      42才
E 「設計のランニングコストが、他社と較べて高いってクレーム来てるので、訂正して下さい。」
T 「どの物件かなー?」
E 「凝集の加圧浮上ユニットですけど。」
T 「他社は、凝集剤何使ってるの?」E 「みんな同じPACですけど・・・・・何か?」
T 「じゃあ、薬品の添加量や汚泥の発生量で、ランニング勝負してこちらの設計がまずいと言う事なの?」
E 「ええ、施主はメーカー決定でランニング重視しているらしいですから。」
T 「ふーん、もちろん薬品を入れ過ぎて除去率が最大になっているにもかかわらず、余分に薬品添加すると、汚泥の発生量が増えるだけで、無駄でしかないからねぇ。」
E 「だから、書き換えて下さい。」
T 「じゃ、薬品注入量ゼロで、汚泥発生量ゼロにして、再提出しよう。」
E 「おお~いいですね。 って、それ全く除去してないんじゃないですか?」
T 「はい、除去率ゼロで、処理水は原水と同じ水質です。」
E 「そんなの、出したら出入り禁止になりますよ。」
T 「同じ排水に、同じ薬品を添加して、最大の除去効率を得た時の、薬品添加量や汚泥発生量は誰がやっても、同じになるよ。」
E 「じゃ、他社の薬注量が少なすぎると言うことですか?」
T 「それは、実験してみないと解らないし、実験した所で平均的水質かどうかもスポットサンプルでは、わからないな~。」
E 「どうしましょ?」
T 「お客さんに納得してもらうのが、いいと思うけど・・・・仮に処理の方法や、薬品が違えばもちろんラン二ングコストは変わってくるので、重視してもいいんだけど、今回はね~。」
E 「言っている事は、理解できますが、営業の身にもなって下さいよ。」
T 「・・・じゃ、仮に他社は少なすぎて、弊社は多すぎたとする。で他社が選定されて、実機ではランニングが高くなり、問題になるとする・・・」
E 「それも、問題ですけど、他社に負けてる時点でダメじゃないですか・・・・・」
T 「それも、そうですね。」
E  「??? (泣)」
- 次回へ続かない  -

水処理サロン その8

2013-01-31
T : プラント設計担当 53才
E : 営業担当      42才
 
E 「有機物の分析方法について質問します。」
T 「いきなりやね。 ←このフレーズ、評判いいの知ってる?」
E 「・・・・・・まず、よく聞くBOD、CODについて教えて下さい。」
T 「(無視かよ!) どちらも酸素の消費量で、有機物の相対的重量を表す指標です。」
E 「え?相対的?単位は、mg/Lですけど、何かを計っているのではないのですか?」
T 「有機物を分解する時に消費した酸素重量で、有機物量を間接的に計っています。BODは、生物が分解に利用した酸素量、CODは、酸化分解に消費した酸化剤中の酸素量です。」
E 「それで、BODがバイオで、CODはケミカルですか。でもだいぶ数値が、同じ水でも変わりますね。」
T 「組成によりますね。分解可能でも生物的阻害があってBODが計れなかったり、アルコールや有機酸等は、BOD出るけど、COD出なかったりします。」
E 「原水は、BODが高くてCODが低く、処理水は逆だったりするのは、そのせいですか?」
T 「もちろん、生物処理した場合は、BODでカウントする有機物が処理対象ですから、その傾向です。」
E 「へー。でもこの前、生物処理水で、すごくきれいなのに、BOD高かったんですけど?」
T 「たぶん、硝化反応で酸素消費されたのではないかな?硝化菌の活性阻害するアリルチオ尿素入れて、測定すれば真値が出ますよ。これは、測定法で定められていますから。」
E 「ふーん、で、分解処理すると絶対、有機物量は下がりますよね?」
T 「それ難しい質問です。」
E「え~何故ですか?」
T 「全有機物の酸化の割合というか・・・そもそも、BODは5日間、CODは30分と酸化時間が、決められている事に問題があります。 BODの酸素消費を曲線で20日間、計り続けると有機物の多くは、大部分が酸化されて、酸素消費が止まります。」
E 「それが、真のBODということですか?」
「ん~、それも違うんですけど・・・ 例えば、高分子の酸化されにくい有機物が、分解の過程で酸化されやすくなったとします。すると、酸化速度が速くなるので、5日間で酸化する量が増えて、BOD値が高くなります。」E 「処理は進んでいるのに、BODやCODは高くなる事があると?」
T 「そうですね。一般的にあります。だから、未知の水については、客先から情報をたくさん聞かないと設計できません。 その他に、TOCやTODや、COD(Cr)等、情報が多いと組成が特定できなくても想像が出来ますから。」
E 「ん~~、やっぱり難しいので、客先には必ず同行して下さいね。」
T 「ん~~、ん~~  60Hz圏内???」 E 「????」  
- 次回へ続く  -
本社
東京支店
■レイ株式会社■
【本社】
〒550-0005
大阪府大阪市西区西本町1-3-15
大阪建大ビル10階
TEL:06-6606-9773
FAX:06-6606-9772
 
【東京支店】
〒140-0013
東京都品川区南大井5-12-2    内外AP-3B
TEL : 03-6410-8941 
FAX : 03-6410-8942
TOPへ戻る