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水をつくる社員ブログ

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水処理サロン その7

2012-12-29
T : プラント設計担当 53才
A : 装置設計担当   43才
A「本年最後の更新です。がんばって下さい。」
T「は~い。なので、得意な活性汚泥の膜分離の話を行きます。私、自慢じゃないですがMBR 40現場以上、設計施工していて、」  
A「はい、そこまで早く本題行きましょう。」  
T「ぇ・・あぁ・・・」
A「やっぱり閉塞問題ですか?」
T「そうですね。皆さん何故詰まらないのか?と思われているようですが、詰まらないのではなくて一定以上には、閉塞が進行しないと、言う方が正しいです。」
A「そりゃ、またなぜ?」
T「閉塞の成分がほとんど有機物なので、生分解を受けるからです。とは、言うもののMLVSSの標準値が85%位なので、閉塞物中にも15%の無機は存在します。」
A「で、定期的な洗浄となるのですね?」
T「はい、有機物については次亜塩素酸ソーダを、無機物については有機酸を使用します。」
A「洗浄頻度は、どんな物でしょうか?」
T「これは、現場によって違います。ただ、この処理方法の場合、膜を通せば何でも処理が、出来るのではなく、分解率の高い良好な活性汚泥処理では閉塞が起こりにくいので、やはり、活性汚泥の設計が、よくできていないと洗浄頻度は高くなります。」  
A「2種類の洗浄剤を使用する意味は、どうゆうことですか?」  
T「仮に、スポンジが有機物で出来ていて、内部の空間にカルシウムが詰まっている閉塞状態があったとします。この場合、次亜で洗浄すれば、空間にあるカルシウムの閉塞も大部分が除去されます。」
A「構造が潰れて、溶けなくても排出されてしまいますね。」
T「ただ、膜表面に付着するカルシウムは、残ってしまうので定期的に酸洗浄が必要となります。」
A「次亜で3回洗浄したら、1回酸洗浄を挟むとかですか?」
T「はい、膜負圧の変化、回復の度合い、洗浄排水の成分分析等で試行錯誤して決定します。」ただ、硫酸カルシウムは酸でも溶けないので、EDTAを使ったりします。」
A「高価な洗浄になりますね?クエン酸なんかもキレート効果あるようですが無理なんですか?」
T「効果無し、メーカー推奨無視した塩酸濃度でも、効果無しです。」
A「へ~・・・後、閉塞物質で代謝成分 ’SMP’って聞いたんですが、これはなんですか?」
T「え、そんな事まで知ってるの? じゃ次回その話でも・・・・皆様良いお年を~」  
  - 次回へ続くかも? -

水処理サロン その6

2012-12-14
T : プラント設計担当 53才
A : 装置設計担当   43才  
   
A「苛性ソーダの続きの話は、どうなったんですか?」
T「ん?」
A「ほら、前々回の続き・・・」
T「ああ・・・」
A「閲覧者からクレーム来ないですか?いつも話し中途半端だし・・・」  
T「誰も読んでないんじゃない?」
A.T「・・・・・・・・・・・・」
T「苛性ソーダの希釈時に発熱する話から始めます。濃度により固有の潜熱量があってその差が発熱量に変わります。その熱量と希釈水の熱量を足せば希釈終了時の液温度が出ます。」
A「フレークや粒状の固体苛性ソーダは、PVCタンクで溶解できませんね。」
T「はい、100%→24%では、50℃程度上昇するので元液温が20℃でもPVCの耐熱60℃を越えてしまいます。」
A「では、次は凍結について語ってみ」
T「30%までは凍結と言っていいですが、それ以上は凍結ではなく結晶化です。」
A「48%だと結晶なんですか?」
T「はい、だから凝固点は、24%で-12℃ですが、30%から0℃を越えてここから水和物の結晶になります。」
A「不純物による凝固点降下で24%が一番凍結点が低いという事ですか?」
T「工業用では、そうですね。実際は20%程度が最低温度で、-25℃位です。」
A「で、0℃以上では結晶化するんですね?」
T「はい、なので凍結温度ではなく固相平衡温度って、呼びます。それに、一度37~8%で16℃に上昇するのですが、45~6%でまた固化温度が一度下がって8℃になり、その後また温度上昇します。」
A「なんでそんなに複雑な曲線になるのでしょう?」
T「水和物結晶は、無水塩~2水塩に結晶化するので、48%付近の濃度で2水塩で濃度平衡が取れて9℃に落ち着きます。だから、結晶化した場合、温度を上げてもなかなか復旧しません。」
A「もし、固まっちゃったらどうするんですか?」
T「すぐに仮設を準備して、春まで待つか・・・・もう一つは、またの機会にでも・・・」  
A「え~、また、中途半端ですか!!!!」  
  - 次回へ続く -

水処理サロン その5

2012-10-31
  T : プラント設計担当 53才  
  H : 技術担当    32才  
   
H「Tさん、新設の曝気槽で酸素の溶解効率計ったら、低い値が出てしまったんですけど・・・?」
T「何ton水槽?」
H「100tonです。」  
T「大きい水槽だね~。DO計は、何台使ったの?」  
H「えっ、1台だけですけど、ダメだったですか?」  
T「どこを測定点にしたの?」  
H「水面近くを計ったんですが・・」  
T「亜硫酸ソーダ等で、水槽を還元してゼロDO状態を造るのは簡単だけど、それは過剰添加で 作っているので、DO上昇=酸素溶解量ではなくて、そこにまだ未反応の亜硫酸ソーダの 酸素消費量を足さないと溶解効率は出ないよ。」  
H「そういえば、理論量の3倍亜硫酸ソーダを添加して無酸素状態を作りました。でも、テーブルテストでは、亜硫酸ソーダの酸化が終わらないとDOは、上昇しないじゃないですか?」
T「・・・1Lのビーカーと100tonの水槽をいっしょにしちゃったのね?」
H「そんなに違う物ですか?」  
T「テーブルテストと実機の性能が同じというのは、ありえないよ。この場合は撹拌効率の差ですね。」
H「じゃ、DOと同時に酸素の消費速度も測っておけば良かったんですか?」
T「ん~、還元剤はどんどん無くなるので、消費速度も落ちていくから、一様に計るのは余計難しいね。種汚泥を入れて実運転でもう一度計ったらどうです?」
H「そんなことが出来るのですか?」
T「もちろん、還元剤や曝気停止して溶解効率を図るんじゃなくて、一定の状態を測定する方法で」
H「難しそうですね?」  
T「生物の呼吸速度は短期間では一様一定なので、一定の空気量で曝気した時のDO分布を測定すると100ton水槽に溶けている酸素重量が出るでしょ?」  
H「はい、それは解ります。それで、DO計が1台では、全体の把握が出来ないと言うことか・・」  
T「後、その状態の酸素飽和濃度を計れば、酸素統括移動係数が出るのでおおよその溶解効率は出ますよ。」
H「おおよそなんですか?」  
T「この測定方法の欠陥は、酸素濃度が50%でないと、正確な移動係数が出ない所にあるので、H君の測定方法も、どちらも、一長一短だね。 じゃ~次はもっといい方法を紹介しよう。」  
H「え~、また、中途半端ですか!!」  
  - 次回へ続く -

水処理サロン その4

2012-09-15
  T : プラント設計担当 53才            
  A : 装置設計担当 43才            
                   
T 「ちょっと、この前作った苛性ソーダの自動希釈装置がおもしろかったので聞いてくれる?」  
A 「はい、どうぞ」
T 「磁歪式で液面検知して、容積換算で自動希釈したんだけどけっこう難しくて・・・」  
A 「ああ、希釈計算ですね。?」            
T 「48%を、5%と24%に希釈するラインを作ったんだけど、換算式で自由に希釈濃度を変えられるように、作りたかったんだけど、結局あきらめました。」        
A 「48%を24%に希釈するのに単に容積で2倍するとだめですもんね。」    
 T 「うん、それだと計算すると28.9%になるし、最終濃度誤差が濃度に対して1%だったので23.8~24.2%にしないといけなかったんです。」        
 A 「そうか・・重量換算だから、容積制御の時点で難しいですね。」      
 T 「それに、工程として水張り→休止→薬品添加→撹拌→休止→放出の自動工程だったんだけど確実に1回目の休止と2回目の休止間に、容積が減っていました。」      
 A 「かなり発熱もしていて、膨張するようにも思うけど、減るんですか?」    
 T 「希釈槽は、密閉構造なので見られないけれど、磁歪式の分解精度内で確かに減量しましたね。」
 A 「なぜでしょうか?」              
 T 「水1とメタノール1を混ぜると、2より少なくなる現象があるでしょ。」      
 A 「ああ、分子量の差で物理的に減るんですね。大豆1Lと米1L足しても2Lになりませんってやつ?」
 T 「水とメタノールなら、理解できるけど、苛性ソーダで分子量がそんなに違うのかな?希釈水がただの工水だったので、純水ですると違ったのかも知れないね?ま、その辺はもっとレベルの高い人の意見を聞いてみましょう。」      
 A 「で、最後はどうなったのですか?」          
 T 「結局最後は、切りのいい濃度だけに切り換えられるようにして1:1で比重を呼び込んで換算して希釈する内容としました。」A 「それで検収は、上がったのですか?」          
T 「2回目の比重測定で、納める事が出来ました。」        
A 「苛性ソーダって結構やっかいですね。」          
T 「そうだね、次回は苛性ソーダの潜熱と凍結に関してやりますか?」      
A 「え~このコーナー続く事が、あるんですか~ <ビックリ>」      
                    - 次回へ続く -

水処理サロン その3

2012-06-28
  T : プラント設計担当 53才  
  E : 営業担当    42才  
   
E 「今日は、自社でのユニット化した加圧浮上装置 RAFシリーズを教えて下さい。 この加圧浮上は、浮きますか?」  
T 「え~いきなり失礼な。浮くから浮上分離でしょう。」  
E 「じゃ、浮かなくて困った事がよくあるんですが、なぜなんでしょう。」  
T 「へ~以外と苦労してるんだ?」  
E 「それこそ、失礼ですよ(怒)」  
T 「ごめん、ごめん。(笑)まず、加圧水は空気の過飽和水を大気開放して、析出するマイクロエアー(微少気泡)の  浮力で、凝集フロックを浮上させるので、加圧水が発生しなければ、欠陥ユニットです。  ここまではいいですか?」  
E 「ふむふむ、浮上槽水面が真っ白になるあれですね?」  
T 「そうそう、で次に、加圧水の量の不足です。」  
E 「でも、それは納入前に分析や実験で、確認しているのではないのですか?」  
T 「凝集フロックを浮かす為に必要な加圧水量を決めるには、3つの要因があるんです。  その中で、見落としたことがあったんでしょうね?」  
E 「まずは、SS量ですね?」  
T 「その通り、浮かす対象の重量が解らなければ、話にならないからね。」  
E 「後は・・・・解りません。」  
T 「一つは、水温です。このサイト内のRAFユニットに性能表をアップしたので見て下さい。  水温5℃と35℃では、同量の析出空気を得るのに1.6倍の加圧水量が必要です。」  
E 「かなり、差が大きいですね? それで、夏場は運転が難しいんですね?」  
T 「はい。で次は気固比です。これは単純にフロック重量とマイクロエアーの重量比です。  加圧浮上のいい所は、浮く物でも沈む物でも分離する所にあります。」  
E 「鉱物油を含む金属系廃水なんて、沈殿させられませんものね。沈殿槽水面ギラギラなんて洒落になりませんよ。」  
T 「そうそう、だから、同じ油(動植物油)を含む食品廃水の凝集フロック10kgを浮かす空気量では金属系廃水のSSは1kgしか浮きません。ユニット化する時に、ここが一番悩んだんです。」
E 「廃水も特定せずに~m3/h処理と言ってしまう所ですね。」 T 「で、理解頂くように性能曲線を今回作成しました。営業のみんなによく言っといて下さい。  それから、最後に加圧浮上の欠点を克服する試みを今回のユニットでは取り入れました。」  
E 「え、それってひょっとして・・・」  
T 「あ~紙面がないので、続きはまた次回に・・・。」  
  - 次回へ続く -  
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