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水をつくる社員ブログ

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水処理サロン その21

2014-02-21
T : プラント設計担当   53才
S : 営業担当       37才
 
T 「前回シアンが話題に出たから、それ行こうか~。」
 
S 「はい、よろしくお願いします。」
 
T 「まず、シアンは血中の酸素代謝系の猛毒です。知ってた。」
 
S 「もちろん、青酸カリですよね?推理小説とかに良く出てくる。」
 
T 「そう、シアン化カリウムですね。工業用では、メッキで青化浴といってシアン化金属を使い
  電気メッキをしています。」 
 
S 「あの~  青酸とか 青化とか なんでシアンが青なんですか?」
 
T 「シアンって、もともと水色の事ですよ。命名はシアンが後です。」
 
S 「ふーん、そうなんですか?でも、そんな猛毒をどうして使うのですか?」
 
「まぁ、ノンシアン化は進んでいるみたいですが、メッキではまだまだやっているようです。
  使いやすかったり、メッキの出来が良いのでしょうか?そこは解りません。」
 
S 「ふーん?で、処理方法を教えて下さい。」
 
T 「アルカリ塩素法と言って、苛性ソーダでアルカリ域として、次亜塩素酸ソーダで酸化します。」
 
S 「猛毒のわりには、処理は簡単なんですね?」
 
T 「そうでもないよ、pHと電位をコントロールしながら、第1反応でシアン酸に酸化して、第2反応で
  炭酸ガスや窒素に分解するんだけど、第1反応より第2反応の方がpHが低いので
  硫酸を使います。 第1反応がpH10くらい、第2反応がpH8くらいです。」
 
S 「それが?」
 
T 「原水ももちろん、第1反応の終わった時点でも、まだ、酸性にするとシアンガスが発生します。」
 
S 「じぇじぇ~っ、それって超危険ですよね・・・・・・?」 T  「もちろんです。」
 
T 「青酸カリも、胃酸と反応して青酸ガスになってから毒性がでるんですよ?」 
 
S 「そうですか~ 飲んですぐに「うっ・・」てのは変なんですか?シアン処理って命がけなんですね。」
 
「反応自体は、妨害するイオンがなければ簡単ですし、確実です。 ただ、排水プラントとする
  場合には事故も想定して設計したいですね。」
 
S 「例えば、どんな所ですか?」
 
T 「pH計やORP計は2重化したいですし、反応槽廻りは局所フードで排気して、アルカリスクラバーに
  かけたいですね。」
 
S 「う~ん、やっぱり大変か~~」 
 
- 次回へまだまだ続く -

水処理サロン その20

2014-01-24
T : プラント設計担当   53才  
  S : 営業担当        37才  
   
T 「よし、今日は窒素処理に行こうか~。」  
   
S 「はい、よろしくお願いします。」  
   
T 「まず、窒素の中の何から行こうか?」  
   
S 「えっ? 窒素って元素だから、その中からって?」  
   
T 「ごめんごめん、どの形態から行こうか。」  
     
S 「そんなにあるんですか?」  
   
T 「もちろん、有機態窒素、アンモニア性窒素、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素。  
    アルブミノイド性窒素ってのもあるけど、これは分析用語で、有機態+アンモニアの事です。」
   
S 「それで、処理の方法が各々違うと、言う事ですか?」  
   
「はい、さようでございまする。」  
   
S 「脱窒処理って、生物処理ですよね? 物理や化学処理もあるんですか?」  
   
T 「ほんとやね、考えた事無かったけど、脱窒って、生物処理しか使わないね。  
    例えば、特異なのでアンモニアから話すけど、アンモニアは、温度やpHによって大気に発散
    する性質があります。  
    アンモニアストリッピングといって、蒸気、アルカリ、触媒、それらを組合わせた方法があります。」
   
S 「分離したアンモニアは、どうするんですか?」  
   
T 「回収したり、燃焼したり、触媒酸化したり、処理としては窒素と水素ガスに分解、大気発散です。」
   
S 「じぇじぇ~っ、アンモニアって、窒素と水素で出来てるんですか・・・・・・?」  
   
T 「え、化学式通りですけど、何か問題でも?」   
   
S 「だって、あんなに臭いのに、ただの窒素と水素なんですか?」  
   
「まぁ、臭いのイメージはアンモニア水だろうけど、水酸化アンモニウムだと、窒素、水素、酸素です。
    難しい事言うね~? 一言では説明できないけど、化合物は化学的性質が変わる事は  
    当たり前ですよ。  水は酸素と水素だし、猛毒のシアンは、炭素と窒素ですし・・・・」  
   
S 「じぇ、じぇ、じぇ~??じゃあ 窒素ってすごく悪いんですね。どっちにも出てくるし・・・」  
   
T 「え、いや・・・そういう事ではなくて・・・・。前回のチョンマゲプリンの話をしたで・・・・・」  
   
S 「そうか~ くそ~ 窒素め~ どうしたら窒素を処理できるんですか?」   
   
T 「だから、その話し中~だっちゅうの・・・・・」  
   
   
  - 次回へ続く可能性は比較的高い -

水処理サロン その19

2013-12-25
T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
   
E 「Tさん~、リンの処理教えてもらえますか?」  
   
T 「はい、いいですよ。」  
   
E 「まず、リンって毒なんですよね。」 T  「えっ、そこから・・・・(絶句)」  
   
E 「だって、総量規制とか、富栄養化とかで削減対象じゃないですか?」  
   
T 「チョンマゲ隠す鉄プリンって、知ってる?」  
   
E 「いきなり、映画の話ですか?」  
   
T 「うんうん、それって、関ジャニ∞の錦戸亮君の話ね・・・・・いい映画だったねって、こら~。」  
     
E 「ひとりのり突っこみ、腕上げましたね~^^。」  
   
T 「知ってるのか・・・怒。  CHONMgCaKSFePは、生物の10大栄養素です。」  
   
E 「そう言えば、このサロン内で細胞の疑似構成元素式の話ありましたね。」  
   
「ただ、リンは呼吸系の代謝にも働くので、構成元素以上に重要です。」  
   
E 「あ~それで、「富」栄養化で、プランクトンの異常発生とかが起こると言う事か~?」  
   
T 「でも、処理は意外に簡単なんです。(バカ話で書くとこ無くなってきたな~)」  
   
E 「凝集沈殿ですよね。」  
   
T 「そうですね。Ca系の凝集でHAP法(ヒドロキシアパタイト)、Mg系の凝集でMAP法  
    (ストラバイト)で晶析するのが一般的で、除去率も高いです。」  
   
E 「析出しなくても、SS除去でも取れるんでしょうね?」  
   
T 「ええ。生物処理でも、消費・・・増殖細胞から余剰汚泥で系外搬出されるので分離されますね。」
   
E 「それは、排水中の有機物量に比例してリンも分離されるという事ですか?」  
   
T 「もちろん、それが主になるけど、前出の呼吸代謝の中では、微生物に過剰に摂取させた  
   タイミングで効率よく分離する事も可能です。」  
   
E 「造粒脱リンって、言葉も聞いた事あるんですけど?」  
   
「それも、MAP法で水中から直接、造粒塔でリン酸アンモニウムマグネシウム結晶として、  
    成長させて取り出す方法で、脱水がいらないので、良い方法ですが、原水濃度の制限とか
    高価な設備なので、あまり普及はしていないと思います。」  
   
E 「この、物質毎の処理技術シリーズって、続きやすそうですね。」  
   
T 「なんか、いやな言い方するよね。」  
   
  - 次回へ続く可能性は比較的高い -

水処理サロン その18

2013-11-22
T : プラント設計担当   53才  
  E : 営業担当        42才  
 
T 「この前さぁ、1%=1000ppmって言ってなかった?」  
 
E 「あ、聞いてました?お恥ずかしい・・10000ppmでした。」  
 
T 「そやね、でも、濃度でppm自体が今では非公式単位だよ。」  
 
E 「え、でもみんな言ってますよね。」  
 
T 「特に年配の人は、名残でどうしても使ってしまうね・・・・もちろん俺もね^^」  
 
E 「どういうことなんですか?」  
 
T 「ppmって、パートパーミリオンの略って知ってた。」  
   
E 「ピーターポール&マリーかと・・・・」 T 「・・・・・・・・・」  
   
T 「これって、%と同じで何分の何かを表しているだけなので、分母と分子は同じ単位でないと  
   いけません。」  
 
E 「確かに人口の10%って、分母も分子も単位は、人ですもんね。」  
 
T 「ところが、濃度は一般にmg/Lでしょ、%風に言うとw/v ウェートパーボリュウムです。」  
   
E 「だから、ppm≠mg/Lなのか~?」  
 
「それから、位取りは日本人の文化の違いも、加わって難しいんですよ。」  
   
E 「???」  
   
T 「日本人は、万=10^4 億=10^8 兆=10^12 京=10^16って、10^4刻みでしょ。」  
   
E 「あ~、英語だと、thousand million billion trillion って、10^3刻みですね。」  
 
T 「そうなんだよね。だから、科学的な単位が、p、n、μ、m、k、M、G、Tって、10^3刻みは  
   日本人は、ちょっと苦手かも知れないね。」  
   
E 「でも、cmとか、hPaは10^2じゃないですか?」  
   
T 「それは、よく使う量の巾がその範囲にあるので、使っているだけで別にcl センチリッターでもいいし
   dm デシメーターでもいいのよ。」  
 
E 「そんなのも、ありなんですね?」  
 
T 「昔の単位と、桁を合わせる為に単位を付けてくれているものもあるよ。 粘度のmPa・sec  
   ミリパスカル秒なんて、cPと同じ桁合わせだし、hPaもそうだね。」  
   
E 「あ、でも、じゃなぜ圧力のMPaは、あんなにややこしくて、配慮がないのでしょう?」  
 
「昭和生まれのサガだね~(泣) 百億万回?使えばなれるんじゃないの・・・・・・・・?。」  
 
- 次回へ続かない -

水処理サロン その17

2013-10-24
T : プラント設計担当   53才  
  A : 装置設計担当    43才  
   
A 「フェントン処理って、知ってますか?」  
   
T 「もちろん、フェントン博士に何言ってるんですか?」  
   
A 「ちょっと話が出て、高濃度有機排水をフェントン分解しようという計画があるんですが・・・」  
   
T 「以前に、COD-Mnで50→20ppmにする3次処理設備を納入したんですが、結構苦労しました。」
   
A 「何か問題でも?」  
   
T 「フェントン処理は、硫酸一鉄を触媒にして加水から生じる水酸基ラジカルの連鎖反応で、有機物を
   切断して、CODを削減します。  
   私3日間、ぶっ続けで現場で、条件を変えてNODをやり続けたんです。」  
   
A 「NODって、なんですか?」  
   
T 「あっ、知らない? 鍋でやるCOD-Mnで、ナベオーディーと呼びます。」  
      
A 「(また、始まったよ) 勝手に言ってるだけでしょ。」 T  「はい。^^」  
   
T 「でも、考えてみて下さい。pHを6条件、加水濃度を6条件、鉄濃度を4条件の組み合わせを3日間で
    やったんですから・・・分析にも出せないし、自分でするしかないでしょ?」  
   
「で、どうだったんですか?」  
   
「pHは低い方が、いいようだけど不経済なので3.5位で安定処理できてましたね。  
    加水純分濃度が、原水COD-Mnの2~3倍、一鉄純分濃度が4~5倍で、除去率80%でした。」
   
A 「ふーん、そんなに除去率高いんですか・・・」  
   
T 「そうなんですよね、きっと対象液が溶剤系の生物処理水で、フェントン分解に適してたんでしょう。」
   
「そんなに分解率高いのに何故一般的に行われないんですか?」  
   
T 「まず、不経済なので大きな排水量には向かないですね。」 A  「それから・・・」  
   
T 「こちらの方が問題ですが、原水有機物の組成、濃度に対してのコントロールが困難な点です。
    水酸基ラジカルの連鎖反応は、環境が整わないと継続しません。  過剰に添加しても分解
    しないという意味です。だから、変動したり原水濃度が高かったりすると話になりません。」
   
A 「よく、実施しましたね?」  
   
T 「色々な条件が重なりました。 BODが一桁になっても、CODが50~100残る。活性炭には  
    負荷高すぎるし、どうしようと思っていた所に、リン規制の指導が入り後凝沈が必要に、  
    なったので、なら、フェントンも試してみるか・・・と、  
    事前実験での結果は、あまり良くなかったんですが・・・  
   
    やっぱり、現場でリアルタイムで分析すると、精度や再現性がいいです。  
    今思うとフェントンの場合、簡単な実験では良い結果じゃないのが当たり前だったと思います。」
   
  - 次回へ続かない  -  
   
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